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■ 声明文




2001年9月21日 声明
アメリカ合州国の「報復戦争」に対する声明

2001年9月11日は、21世紀初年の世界の市民にとって、忘れることができない日付になった。民間航空機を用いての、ニューヨークの中枢に立つ高層ビルへの「自爆」テロ。殺されたのは、あまたの民間人の市民ばかりだ。無関係、無防備の数千にもおよぶ、世界の市民である。

アメリカ合州国政府は、声高に「報復」を叫ぶ。「戦争」への準備を着々と進めつつ、要人テロを認め、さらには「核」による攻撃も辞さないと脅しをかける。少し待て。今、「自爆」テロの野蛮に対して、戦争によって「報復」する――これは、はたして文明がなすべきことか。

殺されれば殺す。暴力と逆流する暴力の、果てることがない連鎖の中に20世紀はあった。いや、これまでの人類の歴史はあった。仕返しの「私刑」はまた仕返しの「私刑」を生み、「報復」は互いの間で無限に続く。文明とは、この無意味な「連続」にとどめを刺そうとする人類の意志のことではないのか。

今、アメリカ合州国は、証拠も法的根拠も成算もさだかでない「報復戦争」に世界をひきずり込もうとしている。歴史上はじめて逆境に立ったアメリカを、「同盟国」か否かに関わらず世界は助けるべきだ。しかし、なすべきことはアメリカの「属国」となって戦争の「狂気」に加わるのではなく、自らの原理と方法に基づいて助けることだ。

世界には政治、経済、軍事、その他にわたって、「力は正義なり」の状態が依然としてつづいている。テロ行為はそこに根をおいてなされる。日本はこの世界のありかたを変えることに力をつくせ。かつては「真珠湾」(パールハーバー)攻撃によって対米戦争を始め、「カミカゼ」自爆攻撃まで行なった日本は、過去の反省に立って、問題解決に暴力、武力を用いないことを原理とした「平和憲法」をもった。平和は、暴力、殺戮をもってして、戦争によっては決して達成されない。

今、必要なことは、「平和憲法」の原理に基づいて、日本が行動を起こすことだ。するべきことはいくらでもある。たとえば、今、日本の首相は、ただちに「平和憲法」をもつ国の首相として、この事件に直接関係をもつイスラエルとパレスチナの和平実現に乗り出せ。この努力はまちがいなく世界の平和樹立、テロ根絶の重要な一歩だ。そして、それは世界のありかたを変える。


2001年9月21日


良心的軍事拒否国家日本実現の会
代表 小田 実
事務局長 山村雅治

市民の意見30・関西
代表 小田 実



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